建築施工主任技術者の主な業務内容を詳しく紹介

New

建築主任技術者と建築施工監督技術者は実際何かちがうのか、また業務内容を細かく紹介していきます。


建築施工主任技術者と建築施工監督技術者って何が違うの?


どちらも建設業法に基づく技術者であり、工事現場において、施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理などを統括し、工事の円滑な遂行と安全確保を担います。

厳密には、法的な名称が「建築施工主任技術者」であり、一般的に「建築施工監督技術者」という呼称は、その業務内容を分かりやすく表現したものです。

つまり、建築施工主任技術者と建築施工監督技術者は、法的な違いはなく、同じ役割を担う技術者と考えて良いでしょう。


次にお仕事の内容を紹介します。


建築施工主任技術者の役割は工事現場の責任者として、施工全般を管理監督します。


業務内容は大まかに7つの項目に分かれています。

1.施工計画の作成

2.工程管理

3.品質管理

4.安全管理

5.作業員の指導・監督

6.関係機関との協議

7.現場の安全管理


上記の業務内容をこちらの記事では1~4までを詳しく説明していきます。


1.施工計画の作成

施工計画は、工事を安全かつ効率的に、設計図書通りに進めるための重要な工程です。


◎施工計画の目的

・安全・確実に工事を進めるための具体的手順の明文化

・品質・工期・コストの最適なバランスの実現

・労働災害防止・周辺環境への影響軽減

・関係者間の情報共有と責任の明確化


◎施工計画の主な構成

工事概要 …………………工事名・発注者・施工場所・工期など

施工順序と工程表 ………各工種の施工順とスケジュール

施工方法 …………………各工種の施工手順

使用材料・機械 …………主な建材・重機・施工機械の種類と使用方法

品質管理計画 ……………材料検査・施工精度の確認方法など

安全管理計画 ……………墜落・転落防止策・重機作業時間の注意・保護具の着用など

環境対策 …………………騒音・振動・粉じん・水質汚染対策など

仮設計画 …………………足場・仮囲い・仮設電気水道・仮設事務所の配置など

作業員配置計画 …………各工程で必要な職種と人数

災害・緊急時対応 ………火災・地震・事故などの対応マニュアル


◎施工計画作成時のポイント

現場条件を正確に把握 …………周辺環境・地盤・交通状況などを事前に調査

リスクを想定した対策 …………工種ごとのリスクを事前に洗い出す

関係者との連携 …………………発注者・下請業者と早期に調整

現場に合わせた柔軟性 …………施工中の変更やトラブルに対応できる柔軟な構成


◎施工計画書の活用場面

・工事着手前の元請業者・発注者への説明資料

・労働基準監督署などへの安全管理計画の提出

・工事中の進捗管理・指導・記録

・工事後の報告書や品質証明の根拠資料


◎施工計画の注意点

・計画と実施内容が一致しているか常にチェック

・書類として作成するだけでなく、現場全体が理解・実行できる体制を作ること

・法改正にも常に注意する


2.工程管理

工事の各作業をいつ・どの順番で・どれくらいの期間で行うかを計画し、それを現場で適切に実行・調整し、工期内に安全かつ高品質な建物を完成させるための中核的な業務です。


工程管理の主な構成

工程の計画 …………各工種の順番・日数・重複作業の有無うぃ計画

工程表の作成 ………ガントチャート・ネットワーク工程表の作成

進捗管理 ……………実際の進み具合を定期的に確認・修正

調整・是正 …………工程の遅れに対する対応・他業者との調整

報告・記録 …………発注者・現場監督・元請への進捗報告・記録の作成


工程管理での注意点

作業の優先順位 …………土木・基礎→構造→仕上げに順番を基本に工程を整理

天候 ………………………屋外作業は雨天順延を見越して余裕をもたせる

資材搬入・職人手配 ……納期・人員確保と工程を合わせる

他業者との兼ね合い ……電気・設備・内装などの下請け業者と密に調整

工程の重複(並列作業) …無駄な待機時間を減らすための工夫が必要

検査・確認工程 …………中間検査・配筋検査などあらかじめ組み込む


進捗確認の方法

定例会議 …………元請・協力業者と週1回程度実施、進捗と予定の確認

日報・週報 ………現場作業報告を記録、実績と予定の差を把握

現場巡回 …………実際の進捗と工程表を照合し、問題を早期発見

出来高管理 ………物量で進捗を数値化


課題と対策

工程の遅延 ………………原因分析→即応策

職人の手配不足 …………複数業者と連携して柔軟な人員配置を検討

天候による中断 …………予備日を工程に組み込む

仕様変更による再施工 …発注者と即座に連絡・調整


3.品質管理

施工現場において性能・安全性・耐久性を確保するための核心的な業務です。


◎施工図・設計図との整合確認

設計図に基づき、施工図と照合して不整合がないかチェックし、必要に応じて管理者と調整を行う。

◎使用材料・製品の確認

仕様書・基準に適合した材料を使用しているか確認

納入時にミルシートや検査成績書の確認

不適合品の排除と再発防止

◎施工方法の確認と指導

品質を確保するための施工手順を明確化し、現場作業に周知

作業中の品質監視

◎検査の実施・記録

中間検査・配筋検査・コンクリート打設前検査などを適切に実施

写真や記録による証拠の保存(工事写真管理)

◎品質不良の是正・再発防止

不具合があった場合の是正処置(やり直しや補修など)

原因分析と再発防止の立案・周知

◎関係者との情報共有

現場代理人・協力業者・管理者などと品質に関する情報共有

品質向上のためのミーティングや教育の実施

*品質管理で使われる主な書類*

品質管理計画書………工事の品質管理方針、検査内容、方法をまとめた計画書

チェックリスト………工種ごとの施工内容チェック用紙

写真管理台帳…………工事写真を整理し、品質の証明に使用

材料検査記録…………材料の受入・試験記録など

是正処置報告書………品質不良に対する対応記録

*品質管理で注意すべきポイント*

事前準備をしっかりとする………品質不良は「段取り不足」に起因することが多い

記録を残すこと……………………品質は目に見えないので記録が証拠になる。

現場とのコミュニケーション……職人や協力業者との連携が品質を左右する。

継続的な改善………………………同じミスを繰り返さない仕組みづくりが重要

*主任技術者の求められる資質*

建築技術の知識だけでなくコミュニケーション・管理能力が重要

トラブルや品質不良にも冷静に対応し、判断できる力

教育・指導によってチームの品質意識を高める能力


4.安全管理

建築施工における安全管理は、現場で働く作業員の命と健康を守る極めて重要な責務です。

安全管理を怠れば、重大な労働災害や法的責任、さらには工期の遅延・信頼の墜落にもつながるため計画段階から日々の施工管理に至るまで、安全を確保するためにあらゆる措置を講じます。


◎安全衛生管理計画の策定

工事開始前に安全管理計画書を作成

作業内容・リスク・対策・責任体制などを明確化

関係業者に安全管理体制を周知

◎KY(危険予知)活動・リスクアセスメントの実施

作業前にKY活動(危険予知活動)を行い危険ポイントを共有

リスクアセスメントで危険度を評価し、対策を実施

◎現場巡視・指導

定期的に現場を巡回し、不安全行動・不安全状態を確認

必要に応じて是正指導を行い、安全教育を実施

◎作業手順・特別教育の整備

危険作業には作業手順書を作成し、周知を徹底

高所作業・感電・有機溶剤などに関わる作業には特別教育・資格保有者の配置

◎安全設備・保護具の確認

足場・手すり・安全ネットなどの設置状況を確認

ヘルメット・安全帯・保護メガネなどの着用を徹底

◎安全書類の整備

安全管理台帳(作業員名簿、資格証、健康診断記録など)

ヒヤリハット報告書、災害法報告書の管理

◎緊急時対応体制の整備

災害時・事故発生時の初動対応マニュアルの整備

救急搬送ルート・連絡体制の明確化

*安全管理に必要な主な書類*

安全衛生管理計画書…………工事ごとの安全方針・組織体制・対策を記載

作業手順書……………………危険作業の手順と注意事項

作業員名簿……………………所属、職種、緊急連絡先などを記載

資格証明書一覧………………玉掛け、足場仮設、クレーンなどの資格管理

安全日報………………………日々の安全状況・指導・指摘事項など

災害・ヒヤリハット報告書…過去の事例の蓄積と対策に活用


*特に注意すべき工種、リスク*

*安全管理で意識すべきポイント*

事故は起こる前提で監理する

 ヒヤリハットの段階で対応することで大事故を防げる

・作業員が守れるルールづくり

 実態と乖離した安全ルールか形骸化する

自分だけでやらないチームで安全をつくる

 職長や作業員、協力会社との連携がカギ


今回は建築施工主任技術者の業務内容を一部ご紹介しました。次回は後半の5~7の項目をご紹介します。


♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦



協力会社を募集しています!


足場仮設やシーリング・防水など多岐にわたり募集していますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。




社員を募集しています!


未経験でも採用可能です。資格取得支援も行っています。

就職・転職で悩んでいる方、詳細は採用情報に掲載していますので、一度ご覧ください。



不明点などあればお気軽にお問合せください。



♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦